Falloutシリーズの作品の舞台は、核戦争後の荒廃した世界*1。そこでどう戦い、切り抜け、生き残るか。ブラックなユーモアと自由度の高い世界を作り上げ、多くのプレーヤーを魅了しています。日本では知名度は低いものの海外ではヒットした作品群です(1作目はかのDiabloと同世代)。
シリーズの第1作目はInterplay ProductionsのBlack Isle Studiosというチームによって製作され、1997年にリリース。その年のRPG of the Yearを受賞しました。1998年には続編であるFallout 2もリリースされ好評を博しました。そして2つのスピンオフ作品、Fallout Tactics: Brotherhood of Steel*2(2001年)、Fallout: Brotherhood of Steel*3(2004年1月)も発売され、Falloutシリーズの発展が期待されたものでした。また、スピンオフではない正統なFallout 3*4の製作もファンの期待の中、進行していました。
ところが、2003年に制作会社であるInterplay Entertainmentが経営難の為にゲーム業界から撤退を決定、制作チームであったBlack Isle Studiosのスタッフの解雇を行いました。制作中のFallout 3もキャンセルされ、Falloutシリーズはここに潰えたかに思われました。
ところが、そこに名乗りをあげたのが The Elder Scrollsシリーズで名をはせたBethesda Softworksです。Bethesdaは2004年7月にInterplay EntertainmentからFallout開発のライセンスを取得し、Fallout 3の開発を開始しました。そして2007年4月、BethesdaはFalloutに関する知的所有権関連物全てを575万ドルで取得しました。彼らの本気を感じさせたものです。新生Fallout 3の開発を行うのは、海外のみならず日本でもヒットしたThe Elder Scrolls IV: Oblivionの開発チームです。残念ながらFallout/Fallout 2の製作者であったBlack Isle Studiosのスタッフは関与していません*5。また、新Fallout 3は旧Fallout 3とは関係なく一から作成されたようです*6。
そしてFallout 3は2008年10月にPC/Xbox360/PS3を対象に発売され、世界でも大ヒットしGame of the Yearにも選出されました。日本でもコンシューマ機で完全日本語版が発売され、多くのファンがWastelandに旅立ちました。その後、5つのDownloadable Contentsもリリースされました。
その後しばらくFalloutに関する情報は殆ど流れてきませんでしたが*7、また新たにFalloutブランドの作品がリリースされる事が明らかになりました。その名も Fallout: New Vegas。名前から分かるとおりFallout 3には直接関係は有りませんが、Fallout世界を共有したスピンオフ作品です。製作はBethesdaではなく、外注先はなんとFallout/Fallout 2の製作チーム、Black Isle Studiosのメンバーの多くが所属するObsidian Entertainmentです。元祖の製作スタッフによるFallout世界。様々な点で期待できるでしょう。